出産と復帰

横峯さくらは、妊娠中も2020年11月のTOTOジャパンクラシックまで試合に出場し、2021年2月に出産した。同年5月のリゾートトラストレディスでJLPGAツアーに復帰し、以後は子どもを帯同しながら年間約30試合に出場している。

草の生えた土手で子どもと顔を寄せて笑う横峯さくら

第一子妊娠の発表

2020年9月8日、横峯さくらは第一子を妊娠したことを発表した。この時点で妊娠5カ月の安定期に入っており、出産予定は2021年2月下旬だった。

発表の中で、「母としてプロゴルファーとして、仕事と子育てを両立していきたいと思っていますので、皆様にも温かく見守っていただけるとありがたいです」とコメントしている。あわせて「アメリカツアーでの1勝、国内ツアーでの永久シード」を今後の目標として掲げ、出産後も競技を続けていく意向を示した。

妊娠中のツアー出場

妊娠後も、ツアーに出場を続けた。産婦人科医に相談し、「体調が良ければ大丈夫」との確認を得て出場を決めた。米ツアーで妊娠中にプレーする選手を見た経験が背景にある。2020年11月の「TOTOジャパンクラシック」には妊娠7カ月で出場し、この大会が出産前最後の試合となった。その後は米女子ツアーの産休制度を利用して、出産に臨んだ。

長男の誕生

2021年2月、第一子となる男の子が誕生した。母子ともに健康だった。横峯さくらはマネジメント会社を通じて次のようにコメントした。

これからはママさんゴルファーとして、活躍する姿を皆様へお伝えできるよう、また後輩たちへ新しい選択肢を増やしていけるよう活動を続けさせていただきます。お腹の中に新しい命を授かったときから、食事や移動などあらゆる面でのサポートや、私の気持ちに賛同してツアーへの出場も後押ししてくれた主人には感謝の言葉しかありません。今は本当に幸せな気持ちでいっぱいです

あわせて、「体と相談をしながら無理をせずに準備を行い、『ママでも優勝』を目標にしていきたい」と、復帰への考えを明らかにした。

産後のリハビリ

出産後の体の回復は、順調なだけのものではなかった。産後1カ月で医師から少しずつ運動を始める許可が出たが、妊娠前は軽々できていた腹筋が、1回もできない状態だった。ドライバーの飛距離も、妊娠前のキャリー230ヤードから180ヤードまで落ちていた。「早く戻らないと戻れない」という焦りがあった。

そこで理学療法士の指導のもと、段階的なリハビリに取り組んだ。出産後1カ月は運動を控え、その後2カ月間は骨盤を整えるなど「姿勢」に特化したトレーニングを行い、体の軸ができてからスイングの練習に移った。段階を踏んだことで、復帰後も怪我なくプレーを続けられている。

家族のサポート

練習の時間は、夫が息子の世話を担当した。夜中に息子が起きたときの対応も夫が行い、アスリートに必要な睡眠を確保した。ラウンドの際には、夫の両親が息子を預かることもあった。

子育て中心の生活となり、練習時間は妊娠前の3分の1ほどになった。それでも競技を続ける背景には、米ツアーで見てきた「子どもを連れてツアーを回るママさんプロたち」の姿がある。出産後もプレーを続けることが当たり前にある環境を目の当たりにし、自身の価値観も変わったと語っている。

ツアー復帰

2021年5月8日、横峯さくらは自身のInstagramでツアー復帰を発表した。当初は同年秋頃の復帰を想定していたが、回復が順調に進んだため、前倒しでの復帰となった。

復帰戦が決まり、とてもワクワクしています。飛距離も戻り、身体的にもいい状態です。子育てはかなり体力を使いますが、子どもが日々スクスクと成長してくれる姿はそれ以上にパワーをくれます

5月27日開幕の「リゾートトラストレディス」(愛知県・セントクリークゴルフクラブ)に主催者推薦で出場し、出産から約3カ月でのツアー復帰を果たした。この大会は、2011年に優勝した大会でもある。その後、復帰3戦目の大会で、産後初の予選通過も決めている。

経緯

時期できごと
2011年リゾートトラストレディス優勝:後の復帰戦と同じ大会
2020年11月6日開幕妊娠中最後の出場:TOTOジャパンクラシック(妊娠7カ月)
2021年2月出産
産後1カ月運動許可:腹筋が1回もできない状態からの再開
2021年5月27日開幕復帰戦:リゾートトラストレディス(主催者推薦で出場)
2021年10月26日セブンルール放送:産後3カ月復帰密着
2022年日本ツアーへ完全復帰:8年ぶり
夕方の駐車場で子どもと手をつないで立つ横峯さくら
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